ホーム > 小・中学生作文コンクール > 過去の受賞作品

「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2016年度 第52回 受賞作品

日本農業新聞賞

地震大国日本

北九州市  明治学園小学校6年安達 七織

 父の車がグラッと揺れたその瞬間だった。

「ビィービィービィー。」

一斉に携帯電話から警報が鳴り響いた。久しぶりに体験した大きな地震。その日、熊本は日本の歴史に残るほどの大地震を観測したのだった。行く日も行く日も大きな余震が続き、地元の住人が大変な日々を過ごしている様子が報道されていた。熊本から遠く離れた北九州市でもビックリしたくらいの大きな揺れを観測したのだから、震度七を観測した熊本の人たちはさぞ大変だったことだろう。

 日本は東日本大震災や阪神淡路大震災、古くは関東大震災などの数多くの大地震を経験し、過去の犠牲者も数多い。幸いい命は落とさなくても、家族と離れ離れの生活を余儀なくされた人も数えきれないほど多いと聞く。それに加え御嶽山や雲仙岳、阿蘇山などの火山噴火。沖縄や九州地方を中心に日本列島に上陸する台風など、数多くの自然災害の被害に見舞われている。過去の災害だけでなく、近い将来には南海トラフの超巨大地震や第二の関東大震災が来ることは予想に留まらず、ほぼ確実視されているほどだ。

 日本はよく「安全な国」と世界から評価をされている。しかし「世界で最も安全な国ランキング」では二十二位という位置付けである。治安の良さは世界トップクラスの評価を得ているのに、自然災害の被害件数やその大きさが他国に比べ圧倒的に多いという事実が原因であろう。プレートの境界に位置すること、活断層が多くあること。これが原因で日本では地震が多発してしまう。さらに、日本は島国で四面が海に囲まれているため、台風被害や津波の被害まで受ける可能性が他の国に比べて非常に高いのだ。

 一方で、日本が自然災害において、世界各国から驚きと共に評価されている側面もある。それは自然災害を受けてしまった際の行動であり、その復興力である。過去の日本の被災地では食べ物がどんなに少なくても、自分だけのことを考えるのではなく、周りの知らない人までの配慮を忘れない姿があった。日本の助け合いの精神や、規律性などは世界で驚かれ大きく報道されていた。また、関東大震災では、日本の歴史上最大級の被害を受けたにも関わらず、わずか四十一年という期間でアジア初のオリンピックを開催できるほどの復興を成し遂げた。日本の高い技術力は被災から復興するだけに留まらず、その経験を糧に次への準備を進めている。被災という負の経験をプラスにするために、日々技術力を進歩させている。最近では、博多の中心で道路が大きく陥没してしまった際の日本の復興力が海外のメディアで大きく取り上げられ、称賛されていた。

 現在の日本は耐震構造の技術進歩や情報共有のための緊急速報など、様々な分野において日々進歩している。それでも自然の力に逆うことは不可能で、災害そのものを食い止めることはできない。しかし、私達の行動で少しでも被害を抑えることはできるはずである。助け合いの精神を大切に過ごすこと。ボランティア活動にも積極的に参加していこうと決心した。

ページ上へ