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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2025年度 第61回 受賞作品

日本農業新聞賞

六年間で手に入れた「チャレンジ」

国立大学法人  福岡教育大学附属福岡小学校6年平岡 結衣

 私は小さい頃から、人前に立って目立つことが好きで好きでたまらなかった。幼稚園の発表会など主役やリーダーの役割には真っ先に手を挙げた。小学校に入学してからその気持ちはどんどんふくらんでいき、学校行事の役割には常に立候補してきた。
 私は四年生になるのは待ち遠しくて仕方がなかった。それは、運動会の花形である「応援団」に参加できる資格が得られるからだ。当然、私は迷わず立候補した。しかし、そこには大きな壁があった。応援団に選ばれるためには、単に「やりたい」という気持ちをさけぶだけでは足りず、応援団に入ってからの意気込みを文章にして提出しなければならない。当時の私は、文章を作るのが苦手だった。それ以上に「自分なら選ばれて当然だ」という根拠のない自信があり、努力もせずに軽い気持ちで選考の日に臨んでしまった。結果は「不合格」だった。名前を呼ばれなかったしゅん間、ジワジワと心の中に悔しさが広がった。それと同時に自分への怒りと、どうしようもないむなしさが込み上げてきた。これまで順調に「目立つ役割」を担ってきた私にとって、それは初めて味わうざせつだった。
 もう二度とこんな感情は味わいたくない。そう強く思った私は、これからの自分への約束として「チャレンジ」というテーマをかかげた。私のチャレンジは、単に応援団に挑戦することだけではなく、不合格となった「文章力」に加え「表現力」を一からみがき直すことに決めた。それからの二年間は、国語の授業での発表や作文、日常の係活動に至るまで何事にも「全力で結果を出すこと」を目指して取り組んだ。苦手だった文章作成も自分の思いを整理して言葉にする訓練だと思い、何度も書き直しを繰り返した。
 そしてむかえた六年生の運動会。私は二年前と同じ場所に立っていた。しかし心構えは全く違った。積み重ねてきた努力という裏付けがあった。全力で書き上げた意気込みは、選考委員の先生方に届き、念願の入団を果たすことができた。しかもその熱意が認められ、副応援団長という大役まで任されることになった。本番の運動会で、真っ白な手袋をして全校児童の前に立った時、最高にかがやいている自分を感じた。それは単に「目立っているから」という理由だけではなかった。二年前の悔しさから逃げず、自分を変えようと挑み続けた日々があったからこそ、この景色が尊く感じられたのだ。
 私にとっての「チャレンジ」は、良い結果を出すことではない。たとえ一度失敗してもそこから何を学び、どうあきらめずに挑戦し続けるか、そのプロセスこそが本当のチャレンジなのだと気づいた。小学校生活で得たこの気づきは、これから中学校、高校と経験を重ねる中でさらに深まり形を変えていくはずだ。
 大人になればもっと高い壁にぶつかることもあるだろう。それでも今の私には「あきらめない」という武器がある。その変化を楽しみながらこれからも自分だけの「チャレンジの意味」を一生けん命に探し続けていきたい。

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