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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2025年度 第61回 受賞作品

日本農業新聞賞

学校まで続く坂道

私立  福岡雙葉小学校4年恒成 里南

 わたしは、小学校に電車に乗って通っています。最寄り駅で降りたら、そこからは十五分ほど学校まで歩きます。
 一本道をしばらく歩き、右折するとそこからは、ぐっと坂道が続きます。
 初めのころは、この坂道が長く長く感じて、学校がはるかかなたにあるのではないかと思うほどでした。
 しかし、ある日、
「最近、長い坂道の話をしなくなったね。」
と、母に言われたのです。そうです。わたしは坂道を歩く時間がいつの間にか好きな時間に変わっていたのです。
 特に何を始めたわけではありません。頭の中でいろいろなことを考える時間にしただけなのです。
 この「ただ何かを考える時間」というのが意外と日常生活の中では少ないことに気づきました。学校では授業を受けたり、友達と話したりと、ひとりになる時間はありません。家では、寝る寸前まで家族と話して過ごします。
 歩きながら、ただ物事についてひとりで考える時間がこんなに良いものだとは知りませんでした。頭に自然と思い浮かぶことが、いま自分が悩んでいることなのだということにも気づくことができました。算数の公式が、頭に浮かぶ日もあります。それは、「テストが近いよ」という自分へのお知らせだと思っています。
 家族に何かを相談するときも、ひとりゆっくり考えをまとめた後なので、うまく言葉にして自分の気持ちを伝えることができるようになりました。
 日によっては、途中で友達と出会って一緒に登校するときもあります。もちろんうれしいし、楽しいです。
 学校まで続く坂道は、きっとこれからもわたしの心を落ち着かせてくれる大切な時間になると思っています。季節ごとに変わる景色を見ながら歩き、わたしも坂道のように上へ上る気持ちで成長していきたいです。

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