2025年度 第61回 受賞作品
全共連福岡県本部運営委員会会長賞
初めて感じた気持ち
福岡市立 東箱崎小学校4年平野 ひの
「おんぎゃあ。おんぎゃあ。」
九月十四日、午後一時四十四分。元気なうぶ声がひびいた。私の初めての妹は、とてもかわいらしく、とても小さかった。あの日、私は本当にうれしくて、思わずなみだがあふれた。
それから一週間、お母さんと妹はまだ帰って来ることができず、お父さんと二人で協力して家事をし、がんばってすごした。少しさみしくて、でもうれしくて待ち遠しくて、早く会いたい気持ちが日に日に大きくなっていた。一週間後、やっと二人が帰ってきた。初めて家に家族がそろった。これまでとはちがう、さらににぎやかで楽しい日常が始まる。そのうち、妹には名前がついた。かわいらしい名前。むねがワクワクした。
そこからの毎日は、予想していたよりずっと大変だった。
「ミルクを作って。」
と、言われれば、粉をとかしてミルクを作り、
「だっこして。」
と、言われればやさしくていねいにだき上げた。時にはだっこをしすぎて、かたがいたくなることもあった。でも私は、お世話をやめたりしない。だって、この子は私だけの妹なのだから。
生まれて三か月。妹はできることがふえた。首がすわるようになった。手のそんざいに気づいて、いろんなものをにぎるようになった。なみだが出るようになった。
妹が成長するにつれ、私にもできることがふえていった。お湯と粉のバランスがかんぺきなミルクを作ることができるようになった。おむつもときどきかえられるようになった。おふろ上がりのスキンケアもしてあげられるようになった。
ある日、私が、声をかけると、タイミングよく
「あう。」
と、返事してくれた。初めての会話。かわいくてうれしくてたまらなかった。そして妹の成長がとても楽しみになった。ハイハイしたり、歩いているのを想ぞうするだけで心がおどり出す。初めて感じる気持ちだった。
私は姉としておうえんし続ける。大好きな妹のすこやかな成長を願って。