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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2025年度 第61回 受賞作品

福岡県教育委員会賞

自分について

糸島市立  前原中学校1年マシューズ 春樹

 ぼくは、他の人が自分のことをどう思うかよりも、自分が自分にどれだけ満足しているかが大切だと思います。
 ぼくの父は、イギリスで生まれ育ったイギリス人です。一方、母は、日本で生まれ育った日本人です。いわゆる「ハーフ」として生まれ育ってきました。
 「かっこいいね」「いいな」と言われることもよくありますが、正直に言うと、嫌な思いをした方が多かったと思います。
 小学生のとき、話したこともない上級生から
「英語話して。」
と言われました。他の友達にもそんな質問をするのでしょうか。
 また、クラス替えのとき、新しいクラスメイトから、
「どこ出身?」
と聞かれ、
「日本。」
と答えると、
「アメリカと思った。」
と言われたこともあります。半分笑っているようにも見えました。まるで日本で生まれ育ってきたことがいけないのかのような感じがして、嫌な思いになりました。
 このように、自分のことを何も知らない人から、さまざまな悩まされる質問を受けることが多くありました。その人にとってみれば、傷つけるつもりはなくてもモヤモヤしてきました。それはきっと、見た目が日本人とどこかちがうためではないでしょうか。
 ニュースを見ていると、移民や外国人政策という言葉をよく耳にします。そのような言葉を耳にするとドキッとします。なぜなら、見た目で判断されてきた自分も、その一部に含まれているのではないか不安になるからです。
 さらに、よくご年配の方には海外から訪れる人のことを外人と呼んでいる人もいます。外人は、漢字の通り「外の人」と書き、そとのひとと意味します。そのため、あまり快く受け入れられていない気がし、好きではありません。
 中学校に進学し、学校生活の中で将来のことを考える機会が多くなりました。大人になったらどこで認められるか、どこが居心地良く過ごせるか考えました。日本では少し不安があります。
 そこで、家族や祖父母に会いに行くために滞在したことのあるイギリスを思い浮かべました。イギリスではさまざまな人種がいて、互いを尊重しているため外出時の目線や変な呼び方、嫌な質問などをイギリスでは、経験していません。
 しかし、イギリスでも、ぼくのことをアジア系の人とみなしている人も一部いることでしょう。
 つまり、ぼくは、日本では外国人と見られ、イギリスでも外国人と見られているのではないか。なんだか悲しくなってきました。
 でも、頭の中に浮かんでくるのは、イギリスでの楽しい夏の思い出。祖父母、いとこ、伯父、伯母の顔。祖父母のレンガ造りの家。次々に浮かんできます。これほど自分とイギリスに深い結びつきがあることに気づき、イギリスに、自分の居場所があることを実感しました。
 一方で、自分が暮らしている日本はどうでしょう。父、母、弟、猫二匹、いとこ、伯父、伯母、学校の友達、家、自分の部屋。とても大切で自分にとってはなくてはならない人や物があふれています。日本にも居場所があることを実感しました。
 こうして考えると、ぼくはとても恵まれています。なぜなら、二つの別々の国に家族や友人がいることで、全く異なる二つの国の文化や価値観を経験し、学ぶことができているためです。
 例えば、洋風の祝い方や和風のお正月の祝い方を、どちらも知り、さらに楽しむことができます。これは、自分の家族であることだからすることができ、それは、自分にとって誇りです。
 最後に、改めて思ったことは、日本にも居場所があり、イギリスにも居場所があり、それを支えてくれている家族や友達がいるからこそ、今の自分がいます。誰かが自分のことをどう思うか、どう言うかよりも、自分が自分のことに誇りをもち、満足しているかの方がとても大切だと強く思います。

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