2025年度 第61回 受賞作品
福岡県知事賞
心に灯す火
私立 明治学園小学校4年江島 叶葉
医師は、病院で毎日どんなことをしているのだろう。そして、どうやって人々を痛みから救っているのだろう。私は、医師の仕事にとても興味があります。
この冬休み、私が一番夢中になったのは、手塚治虫さんのマンガ『ブラック・ジャック』です。主人公のブラック・ジャックは、たとえ他の人があきらめてしまうような状況でも、目の前の患者さんを救うために全力で立ち向かいます。クリスマスプレゼントとして手にしたこの本には、私の知りたかった「命と向き合う医師の姿」が広がっていました。
この冬休み、私は現実の世界でも、医師という仕事のすばらしさにふれることができました。私の父も医師をしていて、今年の大みそかから元旦にかけて、地域の急患センターへ仕事に向かいました。みんなが楽しく過ごすお正月に仕事なんて、かわいそうだなと私は思っていました。
元旦の朝、父が帰ってきました。
「あけましておめでとう。忙しくて、新しい年になっていたのに気づかなかったよ。」
父はそう言って、すがすがしく笑いました。その笑顔には、つかれよりもやりとげた喜びがあふれていました。
私はこの父の姿を見て、看護の母ナイチンゲールの話を思い出しました。彼女は戦争中の暗い病院の中で、傷ついた兵士たちのためにランプを手に取り、一晩中一人一人をはげまし続けたそうです。
「自分の火を他の人に灯しても、自分の輝きが失われることはない」
彼女のこの言葉がとても印象的でした。
父も、自分の知識や力という「火」を分け与えて、患者さんの心に安心を灯し、父自身も輝いているのだと思いました。私も将来、医師になり、だれかのために一生懸命行動し、自分自身も輝き続けられる人になりたいです。