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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2024年度 第60回 受賞作品

RKB毎日放送賞

真っ白な世界を見つめて

小郡市立  三国小学校5年堀口 縁

 「ひいちゃん。あれっ。どこいるの。」
返事が返ってこない。そんなときは、大体ゲームかお絵かき。二人で留守番をしていたからめんどくさいなと思いながらも気になったから見に行くと、妹の好きなゲームのキャラクターのレストランを作っていた。それも立体のもの。あまりにリアルだったから、
「それ全部ひいちゃんが作ったの。」
と聞くと、妹は得意げに、
「すごいでしょ。」
とニッカニカの笑顔で言ってきた。
「すごいね。」
と返すと、満足げな笑顔で作業にもどっていった。
 また別の日の出来事。妹がねた後にテーブルに置いてあった紙を見た。それは妹がかいた絵そのものだった。次の日の朝、妹にだれをかいたのか聞くと、
「小学校のお友達。」
と言って、どの子がだれなのかをくわしく説明してくれた。
 私も絵をかくことが好きだった。真っ白な世界に自分だけの想像を詰めこむことが。それなのになぜか今は真っ白な世界を埋めていくことができない。自分が求めている絵がかけなくなった。だから、妹を見ていて、少しだけ、「いいな」とか「私も前はかけたのに」と思ってしまうようになっていた。
 そんなとき、考えがガラッと変わる出来事があった。夏休みに入ってすぐ、九州国立博物館で行われていた「あじっぱ夏まつり」に参加したときのことだ。そこではひも結びの体験ができたり、世界のコマで遊べたり、アジアの民族楽器にふれたりできるきかいがあった。最初にひも結び体験。私は一人で、妹はお母さんと一緒にやることになった。私は、スタッフの人に教えてもらって、完成させた。妹は苦戦していたが、しばらくすると、
「できた。」
と言って、 作ったものを見せてきた。
 ひも結びが楽しかったから、家でも挑戦することにした。でも、妹は家でも苦戦した。
「もう無理。ゆかりねえねやって。」
と言いながらひもを渡してきた。そっか。妹が得意なこともあれば、私が得意なこともある。今まで心にあったもやもやが一気に晴れた。
 すべての始まりは真っ白から。紙も本も、人生も。生きていくうちに、たくさんの思いや色があふれ出てくる。それは楽しいだけじゃない。悲しいもあれば悔しいもある。
 私のしょう来の夢は絵本作家だ。自分だけの真っ白な世界を見つめて、その世界をカラフルにしていく。それはかん単なことじゃないと思う。正解だってない。だけど、自分の世界を見つけるために私は夢に向かって努力する。それをいつか「かっこいい」と思ってもらえるような人生にしたいから。

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