2024年度 第60回 受賞作品
全共連福岡県本部運営委員会会長賞
五さいのかいじゅう
福岡市立 東光小学校4年秋谷 柚那
「おりゃあ。」
今日はあのかいじゅうが来る日だ。
「ガチャ。」と、げん関のドアが開いた。そのとたんに片手に持っていたぬいぐるみを頭の上に上げて、「おりゃあ。」と、言いながら、ろう下をぐるぐる走り回る。
なぜ私が家の中を走り回っているのかというと、今日やって来たかいじゅうに満足してもらうためだ。かいじゅうとは、五さいのいとこのことだ。遊ぶことが大好きで、私の七さいの弟をふり回すほど力が強いため、かいじゅうと呼ばれている。
走り回って、私はすでにへとへとだけど、かいじゅうはまだまだつかれていない。さすがかいじゅうだ。
走り回ることにあきたかいじゅうは、「電車ごっこをしたい。」と、言いはじめた。余計につかれそうで、私は乗り気ではなかった。でも、めずらしくかいじゅうが電車になってくれるとのことだったので、弟がかいじゅう電車に乗車した。乗ったとたん、「びゅーん。」と、まるで「うさぎとかめ」のうさぎのような速さで動いていた。その後に弟が電車になっていたのだが、まるでかめのようにおそかった。
かいじゅうは夜も元気だ。かいじゅうは「遊ぼうよ。」とさそってくるが、私はねむたかったから、「明日ね。」と言った。大人しくねると思ったが、弟もひまだったようで、にやりとして部屋の電気をつけた。いやな予感がした。弟はにやにやしたまま、片手をあげ、大きな声で歌い始めた。かいじゅうもそれにつられておどりだした。かいじゅうが二ひきになってしまった。一緒にいたお母さんは笑っていた。私もつられて笑ってしまった。さわがしかったのか、おばあちゃんが様子を見に来た。私は二人が怒られると思ったが、二人はねたふりをしていた。気付いたら、みんなねていた。
朝をむかえて、かいじゅうとのお別れの時間が来た。意外なことにかいじゅうは泣いていた。私たちとのお別れがさみしいようだ。その時だけは、かいじゅうパワーはない気がした。また遊ぼうね、五さいのかいじゅう。