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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2016年度 第52回 受賞作品

西日本新聞社賞

屋久島とカメたちから教わったこと

小郡市  麻生学園小学校4年荒木 結子

「屋久島に行ってみない?」

友達からさそわれて、私は夏休みに屋久島に行き、ウミガメの幼体放流の体験をしました。直接カメにさわるのは初めての私は、期待に胸をふくらませて屋久島へ向かいました。

 カメたちの黒いこうらはピカピカ光っていて、かたくてたたくとコンコンと音がします。持ち上げると、前足をバタバタさせ、その形はまるで船をこぐオールのように見えました。小さな体のカメたちですが、どのカメの動きも力強くて、「もう海へ行く準備は出来てるぞ。」と、言っているようでした。

 みんなで浜を目指し、いよいよ放流が始まります。うみがめ館の方から教えていただいたように、カメに浜のにおいを覚えさせるため、砂をつけた手でカメの首から背中をやさしくなでました。そして、海に向かって放していきます。私の手の中にいたアオウミガメも小さな足を一生けん命動かして砂をかき分けながら海の方へ進んでいきました。何にも教えていないのに。

「がんばれー。進めー。またここへもどっておいでー。」

ありったけの声を出して、カメたちを見送りました。アオウミガメは約三十五年後には、また産卵のためここへもどって来るそうです。私は、その時には必ずここへ来て、カメたちに会いたいと思いました。

 屋久島のうみがめ館の人たちは、ウミガメの生育を守るだけでなく、屋久島の自然を守る活動もしているのだそうです。もしも、この美しい屋久島の自然が失われてしまったら、ウミガメたちの帰る場所がなくなってしまう。ウミガメたちが安心して帰ることができるように、ここ屋久島がずっと変わらない美しい場所であってほしいと、心から強く思いました。

 屋久島では、ウミガメ以外の動物も一緒に生きています。私は、自然を守る人になっていこうと思います。屋久島とカメたちが美しい自然の大切さを教えてくれたから。

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