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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

全共連福岡県本部運営委員会会長賞

おばあちゃんの秘けつ

福岡市立  七隈小学校5年川浪 葉那

「いいにおい。うまいにおいしかしない。」
おばあちゃんの家で、お姉ちゃんはこの言葉ばかり言っている。お正月は、おばあちゃんの家に親せきが集まって新年をむかえる。多い時は十三人だ。私たちは、決まってお正月の夜はみんなで食事をし、おいしいご飯を食べながら大盛り上がりする。食事は、全ておばあちゃんの手作り。おせち料理だけでなく、全ての料理がおいしすぎる。みんな口をそろえて、
「おいしい。うまいっ。」
と言う。おばあちゃんもうれしそう。
 おばあちゃんの味の秘けつって何だろう。おばあちゃんに聞いてみると、
「あげ物は油をすてずにつぎ足していくことだよ。そうする ことで、油がうまみをもっておいしくなるんだよ。」
と、教えてくれた。お正月には、必ず春巻きを食べる。理由を聞いてみると、春巻きや春雨には、新春の春の字が入っているからだそうだ。
 みそ汁は、にぼしを使ってだしを取っている。内ぞうを取り、水に約五時間つけている。だから味が深くおいしくなるんだ。これも秘けつだ。また、なるべく具だくさんにしているそうだ。なぜかをおばあちゃんに聞くと、
「具だくさんだと、おいしく栄養があって、体に良いからだよ。」
と、教えてくれた。それに、にぼしの産地やみそにもこだわっていた。
 お正月に食べるおぞうにの汁は、とりガラを使ってだしを出している。あくを取りながら火を弱くして、約三時間にている。だからさっぱりしていておいしいのだ。これも、秘けつだ。
 おばあちゃんの友達には、油を使ったり時間をかけたりして料理をすると、周りがよごれてしまうことを気にして、料理をしない人がいるそうだ。けれどおばあちゃんは、みんなにおいしいものを食べてもらいたいと、毎日かかさず自分で料理をしている。私はこのことも、八十一年も元気に長生きしている秘けつだと思った。
 お正月は、お母さんがおばあちゃんの料理の手伝いをしている。一緒にあげ物やみそ汁、煮物やサラダなどを作っている。お母さんは、おばあちゃんのすばらしい料理を受けつごうとしている。この味が家で食べられると思うと、とてもうれしい。だから、もっともっと先までこの味を残したい。私もこれから料理を学び、おばあちゃんのように料理が上手になって、おばあちゃんの味を受けつごうと思う。この味を、私の未来の家族に食べてもらうために。おいしいって言ってもらうために。未来へ残すために。
ばれているかな。実はこっそりのぞいたり、つまみ食いしたりしていること。

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