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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

福岡県教育委員会賞

言葉

私立  明治学園小学校6年𠮷武 壱桜

「もっと他の言い方があるよ。」
と母に注意されることが増えました。自分で言うのは少し恥ずかしいけれど、最近の僕は反抗的な言動や態度を取ってしまう反抗期です。母が僕に注意をしてきたときに、テーブルをドンッと強く叩いて、きつい言葉で言い返してしまいます。本当は怒って言うほどのことじゃないのに、つい強い口調で言ってしまうのです。自分でもどうしてそんなに怒鳴って言ってしまったのか、分からないときもあります。
 そんなゴジラのような僕に、母はコンビニでお弁当を買って頼んだ箸が入っていなかった場合、店員さんへ何と伝えたらいいかという例え話をしてきました。
「箸入ってないんですけど。」
と不機嫌そうに言うのと、
「お箸が入っていなかったので、一膳もらえますか。」
と優しく話すのとでは、箸が欲しいと要求している内容は同じであっても、店員さんの対応は絶対に違うはずだと言われました。僕は不快に思ったときに、前者の様な嫌な言い方で話してしまっていることが多々あったので、この例え話をされてすごく反省しました。
 きっと乱暴な言い方をすれば相手も嫌な態度で返すし、こちらが丁寧な言い方をすれば相手は優しく返してくれるはずです。こんな基本的なことを忘れて、僕は感情的になっていたのです。相手や場面に合わせて言葉を選ぶことができるはずなのに、それをうまく表現できなかったのです。しかし上手に言葉や感情をコントロールできていないことを、反抗期のせいだけにはしたくありません。自分の機嫌は、自分で取れるようにならないといけないのです。
 ではどうしたらもっと言葉を使いこなす能力を、上げることができるのか考えてみました。
 よく語彙力のためには、本をたくさん読むとよいと聞きます。しかしただ読むだけではあまり意味がないので、分からない言葉はすぐに調べることも大切です。また新しく知った言葉を、自分の言葉として実際に使ってみることがよいと思います。その言葉に優しさや思いやりをプラスすることで、相手の心に響いたり、気持ちが伝わったりするのだと考えました。
 僕はとっさに出てしまう言葉が強くなってしまいがちなので、顔に感情が出過ぎていないかなど、定期的に自分自身をふり返ってみることをしなくてはいけないと思いました。
 生きていれば嫌なことや、頭にくることを言われることがあります。だからといって自分が言われて嫌な言葉や態度をあえて選んで言い返す必要はないのです。よい話でないときこそ、慎重になって違う言い方がないかと相手の立場になって考えなくてはなりません。それは相手と自分自身の両方を守るためになるし、よい関係を築くためです。よい言葉は積極的にどんどん使っていく努力を、これからは心掛けていこうと思います。

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