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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

福岡県教育委員会賞

お手伝いマネジメント

福岡市立  舞松原小学校5年青木 勇陽

 冬休みのある日のこと、外出していた母から一本の電話がかかってきた。
「妹たちと家の掃除と宿題をしてね。今日はあなたがリーダーだからね。」
その電話によって僕の貴重な自由時間が崩れ落ちる音がした。
 僕には妹が二人いる。一人めの妹は自分のことを棚に上げて人のことを言う。二人めの妹はテレビが大好きで守り神のようにソファーからはなれない。この二人と掃除や宿題をする。大変な一日になりそうだ。
 さっそくリーダーの僕は指示を出した。
「みーちゃんは風呂掃除とトイレ掃除。まーちゃんと僕は キッチンと玄関掃除をします。」
さっそく掃除を始めようとしたがソファーの守り神が動かない。これは手ごわいぞ。
「早く立ち上がって!!」
ちょっとだけ声を怖くすると妹たちはすぐに作業に取りかかった。キッチンを掃除するにあたって役割分担をした。まーちゃんはスポンジでシンクをこすり洗いする。僕はキッチンが油まみれだったので洗剤を使ってコンロをみがいた。それぞれが掃除し終わった後にタオルで拭きあげた。タオルは真っ茶色になった。この調子で玄関掃除も終わらせてしまおう。風呂掃除に行ったもう一人の妹はそでをまくり、ズボンのすそをあげて、おまけにマスクをつけて風呂の汚れと戦っていた。おかげで風呂の清潔は守られた。掃除をがんばった僕たちは昼食を食べて宿題をした。
 全てのミッションをクリアして感じたことは、一人でするよりも妹たちと協力したら早く仕事が終わるということだ。そのためには、リーダーとしていかに分かりやすい指示を出すかと、いっしょに仕事をする人のやる気を高めていくようにするかにかかっている。一人めの妹は自分のことを棚にあげて人のことばっかり言うところがある。だから妹の分の役割をしっかり伝えるとけっこう真面目に仕事をする。二番目の妹はソファーの守り神なので動かない。でも、楽しいことが大好きな妹なので仕事中もほめて楽しく進める。どうせ仕事をするならみんなが楽しい気持ちで取り組みたい。そのためにはリーダーが仕事の内容を分かっておく必要がある。いつみんなから質問されるか分からないのでできるだけ多くの情報をもっておく。そしてその人に合わせた役割分担を心がける。その人が最後まで責任を持って仕事をやりとげられるか考えて分担していく。仕事のと中も声をかけたり様子を見にいったりする。仕事がおわったらほめておだてて、笑顔で話をする。そしてみんなでお礼をして、次回もそのチームで仕事がしたくなるような気持ちにさせる。
 僕は四月から六年生になる。果たしてそんなことができるのだろうか。自信はないけど妹たちのおかげで人と協力する大変さや大切さが分かった。年男の僕は小学校最後の一年を龍のごとくかけあがりたい。

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