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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

福岡県知事賞

夏野菜の収穫に強敵現わる

私立  福岡雙葉小学校6年古田 姫菜

「わぁ。カラスに、キュウリやトウモロコシが食べられてる。」
と、さけんでしまいました。
 私が庭に植えていた野菜が、カラスにつつかれていました。暑い中、毎日、水やりをしたり草とりをして大切に育てていました。もうすぐ収穫できるはずだっただけに、とてもショックでした。
 まさか、カラスがキュウリやトウモロコシを食べるなんて信じられなかったので、インターネットや動物辞典で調べてみることにしました。私のカラスのエサのイメージは柿でした。しかし、調べてみると、海辺では魚や貝、野山ではセミやハチなどのこん虫類を食べるそうです。人里では、なんとブドウ、メロン、スイカ、キュウリ、トウモロコシ、トマトと書いてありました。ちなみに、お弁当やおにぎりなどのご飯粒もよく食べますが、生のお米はあまり好きではないそうです。また、イモ類などは、あまり生では食べませんが、ポテトチップスや焼き芋なら食べます。要するに、調理してやわらかくなっていたり、甘みがあったり、油がからんでいたりするものをカラスは好むようです。
 このしょうげき的な結果におどろきました。
「カラスって人間みたいだな。グルメだな。」
と、感心しました。
 毎日、野菜の成長を楽しみにしていたのは、私だけではなかったことに本当にビックリさせられました。カラスのしゅうげきで、今年の夏野菜の収穫は、キュウリが二本とミニトマトだけでした。トウモロコシは、何本も何本もカラスにつつかれていて、全めつでした。
 私が、心をこめて育てた野菜をつついておきながら、食べ残しが多いのも腹が立ちました。どうせなら、つついた野菜はきれいに残さずに食べてほしかったです。思わず
「残すなら食べないでよ。」
と、つぶやいてしまいました。
 収穫した少ない野菜で家族に、サラダを作りました。みんなは、笑顔で
「甘くて美味しい。」

「野菜を育てるのが上手だね。」
と、ほめてくれました。私は、みんなが喜んで食べてくれたことが嬉しくて
「また、愛情いっぱいの夏野菜を育てるね。今度は、カラス に食べられないようにするからね。」
と、約束しました。
 不思議なのは、こんなに好評だったミニトマトがカラスからつつかれずに無事だったことです。カラスは、トマトを食べるはずなのになぜ、つついていなかったのだろうか。ミニトマトの味は、市販のものよりも甘くて美味しかったのに、なんだか複雑な気持ちです。カラスについて、もっと調べてみたいと思いました。
 来年も心をこめて夏野菜を育てます。今度は、カラス対策に光るものを下げたりネットを張ったりします。そして、愛情いっぱいの野菜を沢山収穫して、美味しい料理を作って、みんなを笑顔にしたいです。

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