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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

福岡県知事賞

モグラのエール

私立  西南学院小学校3年藤井 創仁

 ぼくは、今年、ピアノのコンクールで入賞することができました。春から練習を始めて、夏の予選、秋の本選、そして冬の全国大会でした。
 毎日の練習はすごく大変でした。とくに苦労したのは、全国大会で弾いたメンデルスゾーンの無言歌です。出だしの音だけで毎日何度も何度も練習したけれど、なかなかお母さんはみとめてくれません。中間部の音はパーンと出したらかんたんなのにやってはいけません。決して表に出てはいけないおく深いひびきの音を探します。すると、ぼくは、あまり地上に出てこない動物がうかびました。そして「モグラの物語」を作ってみたのです。あるところにモグラがいました。モグラは地球の底の暗やみに住んでいました。ある日モグラは、地上への道の光を見つけました。地上へ上がると炎の玉があり、モグラはすぐににげます。しかし炎の玉は、モグラをずっと追いかけてきます。こわがるモグラは、地下にふたたびもぐってしまう、というお話です。
「こんなに美しい曲をモグラの話に変えちゃったからメンデルスゾーンは、とてもおこっているだろうね!」
とお母さんと笑いました。でも不思ぎなことにかくとうしているモグラを想ぞうして弾くと、指がぼくの思いどおりに動くようになりました。
 全国大会は東京でありました。ホールに着いて出番を待っている間、ぼくは楽ふを見てかくにんをします。モグラの話を思いうかべました。するとモグラがガンバレよ!と言ってくれた気がしました。
 ピアノのいすにすわってそっと指をおき、ゆっくりけんばんを押すと自分の音がホール中にひびき渡ります。弾いていると、どんどん楽しくなってぼくは、もうむがむ中です。最後のフレーズに向かってつき進むぞ!気持ちも大きく音も大きく!よし決まったー!
 応えんに来てくれた友達とお母さんと行ったごほうびの東京タワーは、とってもキラキラしていて、モグラはやっと光にたどり着けたんだと、ぼくは心があたたかく幸せな気持ちになりました。

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