ホーム > 小・中学生作文コンクール > 福岡県知事賞 > お父さんの笑顔

「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

福岡県知事賞

お父さんの笑顔

私立  明治学園小学校2年いは ゆうり

「あーへちま食べたいな。」
ソファーに座っていたお父さんが上を見上げて、私が今までに聞いたことのない声で言いました。どんな声か考えたけれど、ぴったりな言葉が見つかりません。でも、すごくお父さんがへちまを食べたいということがわかりました。
 お父さんは沖縄出身です。へちまは、沖縄では野菜として食べるそうです。福岡には、野菜として食べるへちまが売っていないので、お父さんは何年もへちまを食べられていません。これを知って、私はお父さんに、へちまを食べさせてあげたいな、と思いました。
 私は、お母さんに相談して、へちまを育てることにしました。まず、種をまいて苗を作り、畑に植えました。ここからが大変でした。イノシシが畑を荒らしたり、夏の終わりになってもお花しかさかず、め花が全然つかなかったりしました。やっとめ花がついた時は、飛び上がってしまうほどうれしかったです。
 九月十日、ついにへちまがとれました。お父さんは涙が出そうになっていて、私が思っていた百倍よろこんでいました。その笑顔を見て、私も笑顔になりました。
 その日は、お父さんがへちま料理を作ってくれました。名前は「ナーベーラーンブシー」です。へちまがトロトロしていて、とてもおいしかったです。私もへちまが大好きになりました。
 お父さんがへちまでよろこんでくれた時、私の心の中に大きな大きな虹がかかったようでした。次の夏はもっと上手にへちまを作って、またお父さんのとびきりの笑顔を見たいです。

ページ上へ