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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2022年度 第58回 受賞作品

福岡県教育委員会賞

ぼくの決心

私立  麻生学園小学校3年堂園 海里

 六月にぼくは入院した。とつぜんだった。きゅう急外来に運ばれ、ちりょうが始まった。
 「入院一日目」
 母は荷物を取りに帰った。一人きりの病室。手には点てき。ぜっ食。消灯時間になると、この世界にぼく一人だけになった気がした。静かで暗い。こわい。涙が出て止まらない。ぼくは勇気を出しナースコールのボタンをおした。人と話すと安心した。
 「入院二日目」
 今日から母がつきそう。けんさばかり。一日が長く長く感じる。今までは
「新しいカードやゲームがほしい。」
と毎日思っていた。でも今は、
「元気になって早くたい院したい。」
と七夕の短ざくに書いた。ぼくの心は勝手だ。同じ病とうにNICがあった。赤ちゃんが泣く。きのうは自分の事だけしか考えられなかったけど、今日は、
「赤ちゃんえらいな。一生けん命泣いて助けてって言ってる。泣いていいよ。ぼくもね、きのう泣いたんだ。」
と心の中で言った。がんばってる赤ちゃんが勇気をくれた。
 「入院三日目」
 けんさが続く。今日はMRI。音がうるさくてせまくてこわい。でも負けない。
 夕方、たんにんの先生から電話をもらった。うれしくてたくさん話した。先生はやさしくはげましてくれた。
 十日間入院していた。みんながぼくを忘れるかもって落ちこんだ。けれどたくさんの人が母にれんらくをくれた。学校、習い事、宿題のない毎日はさびしかった。友達に会いたかった。いつもの毎日が幸せだと思った。
 病院では命が生まれるのとなくなるのが同じ日に起こる。でもスタッフはどの命も守ろうとしている。二十四時間、毎日。すごい事だと思った。たくさんの人に助けてもらった。次はぼくの番だ。だれかを助けたい、守りたい。
「大じょうぶですよ。」
と言ってあげられる人になる。そう決めた。だれかを助けるためには、ぼく自身が強くならなくてはならない。
 強い心と体をもつ人になりたい。

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