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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2022年度 第58回 受賞作品

福岡県教育委員会賞

わたしの夜のぼうけん

国立大学法人  福岡教育大学附属福岡小学校2年佐藤 由依

 夜九時だ。まくらのよこのライトをつけると、楽しみな時間がはじまる。それは、わたしが今からぼうけんに出るってこと。今からねるのに、ぼうけんなんておかしいでしょ。でもね、わたしにはひみつの道ぐがある。みんながもっているもので……それは本。
 いつも、まくらの上にいくつか本をおいている。わたしの気分でえらべるように。今日はこの本ときめて、おふとんに入る。わたしは本のドアをあけるとき、今から何がおきるのか一番どきどきする。本のせかいにすいこまれると、キツネのお兄さんといっしょに、たからものをさがすことになった。本の中では何でもできるから、わたしは山のような岩だってするするのぼってしまう。たからものまではもう少しだ。すると、とおくの方から、
「早くねなさい。」
と、お母さんの声がした。もう少しなのにざんねん。さみしいけれど、また明日会える。やりきった気もちで本のドアをとじると、おふとんのせかいにもどっている。
 いつもはこわがりだけど、本の中では、ゆう気のあるわたしにへんしんできるところがおも白い。お母さんには、ただねっころがってるだけに見えるみたいだけど、本当はすごいぼうけんに行ってるんだ。明日はどこに行こうかな。

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