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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2021年度 第57回 受賞作品

日本農業新聞賞

真珠湾で学んだこと

糸島市立  前原西中学校2年本田 百花

 私は以前、ハワイ州・オアフ島にある「パールハーバー」という所に行ったことがある。パールハーバーは日本語で真珠湾。一九四一年に太平洋戦争の一つのきっかけとなった事件がおこった場所だ。そう、真珠湾攻撃である。歴史の授業で耳にした人もいるのではないだろうか。ある本には「日本海軍がアメリカ海軍の艦隊と基地に対して行った奇襲攻撃であり、それによって約二四〇〇人もの人が亡くなった。」と書かれていた。ところが、私はあまり、その事件を「重大な事件」として見ることができなかった。なぜなら、日本もアメリカからたくさんの攻撃をうけたことを知っていたからだ。小学校六年生の時に修学旅行で行った原爆資料館でも、亡くなった人の多さに私は心を痛めた。
 「なぜアメリカは、こんなに酷いことをしたのか。」「なぜアメリカは戦争で日本人を、何万人、何十万人と殺したのに、約二千人亡くなった真珠湾攻撃を、『リメンバーパールハーバー』として現代まで伝えてきたのか。」私は疑問だった。
 だが、実際にパールハーバーを訪れて、自分の考えが、いかに浅はかで心ないものであったか思い知った。沈んだままのアリゾナ号、亡くなった人の名前が刻まれた大理石、犠牲になった人が生前に撮った幸せそうに笑っている家族の写真。そこにあるすべてのものが私の心に飛び込んできた。そして、それらを見ているうちに自分が恥ずかしくなった。私が、今まで「真珠湾攻撃」を亡くなった人の人数でしか見ていなかったことに気が付いたからだ。
 「日本より少ないから~」
 「日本の方が酷い攻撃をうけたから~」そんな考えをもっていてはいけないと思った。国と国の争いによって人が亡くなっていて、誰かが、誰かの幸せを壊している。それこそが、人数なんかより絶対に忘れてはいけないことだと、身に染みて感じることができた。これは、実際に現地に行って、自分の目で見ることがなかったら、絶対に気付けなかっただろう。
 一人一人に家族や大切な人がいて、そこにはたくさんの愛や幸せがある。それを壊していい人なんていないし、壊されていい人も誰一人いない。だから戦争をしてはいけない。すぐれた技術、さまざまなアイデアを争いなんかのために使わず、人を幸せにするために使う人が増えれば、世界は平和になるのではないだろうか。
 私が今回、パールハーバーに行って学んだことは二つある。一つ目は、命の尊さ。命に軽い、重いはなくて、一人一人にたくさんの思いがあることに気が付いた。二つ目は、自分の目で、確かめて判断することの大切さだ。もしあの日、パールハーバーに行っていなかったら、私の軽薄な考えで、周りを傷つけてしまっていたかもしれない。そう考えると、自分の目で見て判断するということは、とても大切なことだといえる。また、それは、今、戦争がなくなった日本ですら、通じることがあると私は思う。SNSによる誹謗中傷、いじめ、差別などで自ら死を選んでしまう人が大勢いることを知った時、私はとても悲しくなった。中傷されている人のことを知ろうとすらせず、ただその人が傷つくような言葉をかき続ける。なぜ、そんなことをするのだろう。私にはそんなことをする人たちの気持ちがよく分からない。一番大切なのは、それで誰かが傷ついていて、誰かの幸せが奪われているという事実だと思う。偏った見方で、安全な場所から他の人を傷つける人になるよりも、自分の目で確かめて想像力を働かせて、周りの人を幸せにできる人に私はなりたい。
 まだまだ、いじめや誹謗中傷はなくならない。私の周りでも、他人の心ない言動で傷ついている人はたくさんいる。パールハーバーでおきてしまった真珠湾攻撃だって、今でも世界中でおきている争いだって、誰かの心ない言動、私利私欲からはじまっていったはずだ。苦手な人も、あわない人もいる。その人と価値観が合わず、落ち込むことだってあるかもしれない。だけど私達には、幸せになる権利があるし、幸せを生み出せる力もある。そういうときに、相手を傷つけて自分だけが幸せになろうとしても本当の幸せはつかめない。本当の幸せを見つけるためには、自分らしく、自分に恥じない生き方をしなければいけない。
 私は、パールハーバーを訪れてよかったと思う。あの体験は、間違いなく私の人生を豊かにしてくれたと思うし、大切なことを、この先もずっと伝え続けてくれるだろう。だから、これからもさまざまな経験をして、自分らしく生きていきたいと思う。

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