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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2020年度 第56回 受賞作品

RKB毎日放送賞

命のプレゼント

福岡市立  片江小学校3年村田 佳穂

「トクン、トクン。」
胸に手をあてると感じる音。あたり前だと思っていたけれど、そうではありませんでした。去年五月に大好きだったひいじいが、九十四才で亡くなりました。わたしにとってひいじいは、とても明るく笑顔の人でした。わたしが遊びに行った時はいつも、
「よお、きたのお。」
と、にっこりむかえてくれました。亡くなったひいじいをなでてみると、つめたくてもう動きませんでした。
「もう話せんとー。」
大切なひいじいが亡くなって悲しくてさびしくて、涙があふれてきました。
 ひいじいが亡くなって五カ月くらいがたち、弟が生まれました。初めてだっこしたとき、
「ちっちゃい。かわいい。」
と、思わず声が出ました。小さい体はあたたかく、手のつめは米つぶくらい小さいけれど、自分でピクッピクッと動かしていました。わたしが弟の小さな手のひらに人さし指をおくと、ぎゅっとにぎりかえしてくれました。
「なんて、強い力なんだろう。」
思っていたよりも強い力にわたしは、おどろきました。
 弟は、おなかがすいた時には、
「おんぎゃあ、おんぎゃあ。」
と、家全体にひびきわたる声で泣きます。一生けん命な姿から、命の音を感じました。
 これまで、あたり前だと思っていた命。いつかは、なくなってしまうものです。でも、ひいじいの命は、わたしのおばあちゃん、お母さん、わたし、妹、弟へとつながっています。
「トクン、トクン。」
今日もわたしの命の音がきこえます。
 ひいじい、すてきな命のプレゼントをありがとう。

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