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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2020年度 第56回 受賞作品

西日本新聞社賞

おばあちゃんが起こした奇跡

私立  麻生学園小学校4年太田 海音

 夏と言えば「スイカ」。ぼくは、暑い夏にスイカを食べるのが大好きです。そんなぼくのために、おばあちゃんは、毎年畑にスイカを作ってくれます。今年は、種ありスイカを一本と種無しスイカを二本植えました。ぼくは、種無しスイカの方が好きなのですが、種ありスイカを一緒に植えないと種無しスイカにならないそうです。
 苗を植えた数日後、おばあちゃんは、
「こうやると、スイカの赤ちゃんが海音のようにすくすく育つんだよ。」
と言いながら、たくさんのわらを畑いっぱいに、まるでふかふかのおふとんのようにしきつめました。
 しばらくして、畑に行ってみると、スイカが、ぐんぐんつるを伸ばし野球ボールぐらいの実をたくさん付けていました。
「やったあ。今年もバッチリ。」
ぼくは、むねをはずませました。
 ところが、何と畑の近くにある木の枝にいやなヤツを発見しました。それは、カラスです。「あいつも、スイカが大きくなるのをねらってるな。」学校でも二年生の時に育てたスイカを横取りされたので、その悪どさをぼくはよく知っています。そこで、おばあちゃんと相談して、すべてのスイカにカラスよけのカゴをかぶせました。それで、スイカは順調に育つはずでした。
 しかし、敵はカラスだけではありませんでした。何日も続いた雨のせいで、元気だったスイカのつるが、茶色になっていきました。スイカは雨に弱く、根がくさったら大きく育つことはできないそうです。
 弱っていくスイカを見てぼくは「今年は、ダメか…。」とあきらめモードになりガックリ肩を落としました。
 でも、おばあちゃんは、あきらめませんでした。スイカの苗の上に、雨よけのビニールの屋根を張りました。毎日畑に足を運びました。必死でした。
 その結果、何と、せん門の人も「復活不可能。」と言っていたあのスイカたちが奇跡的に完全復活したのです。そして、五個以上のスイカがとれました。
 おばあちゃんが、ぼくのためにと、熱い思いでがんばって起こした「奇跡」。その味はもちろん最高でした。

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