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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2019年度 第55回 受賞作品

RKB毎日放送賞

大晦日の改心

福岡市立  西高宮小学校6年松岡 美佑

 「ピピピッ。ピピピッ。」
東の空で太陽がかがやくころ、聞きなれたアラームの音で目が覚める。眠い目をこすりながら布団から出て、身支度を済ませる。そして朝食。「早く漫画が読みたい。」そんな思いからはしがすすむ。そんなとき、お母さんが口をついた。
「今日は大晦日でしょ。料理手伝ってほしいんだけど。」
そうだ、今日は大晦日だったな。冬休みは曜日感覚が狂ってしまう。と考えているうちに、お母さんがまた口をつく。
「さっさとするから早く来なさい。」
単純に、「めんどくさい」と思った。食べるのは好きだけど、作るのはきらい、という私にとって、いじめと言っても過言じゃない。かと言って、たのまれたら仕方がない。キッチンに向かいながら、「味見しておこう。」とか考えてたけど。
 キッチンには、たくさんの食材が並んでいた。どれも色あざやかで、まるで花畑のようだった。そんなことを考えている間にも、作業をしなければならない。まずはかつお菜。ゆでたり洗ったりしぼったり、と大忙し。料理ぎらいの私にとっては、洗うこともめんどくさい。「何これ、いやがらせじゃん。」って、この時は考えていた。
 次に、さといもやごぼうなど、他の野菜に取りかかった。さっきまでへりくつを並べていた私だけど、これは本当に楽しかった。さといもの皮がつるんっとむけたこと。トマトのように赤い人参があること。ごぼうは洗うとすごく白くなるということ。包丁を全くにぎらない私にとっては、とても新鮮なものだった。思わず笑みがこぼれてしまうほどに。
 野菜が終わって、えびの調理をすることになった。
「これが最後だよ。」
と母が言う。「え、これが最後なんだ。」と少し悲しくなった私は、もちろん手伝った。最初にめんどくさがっていたのは何だったんだろうとも思った。「こんなに面白くて、こんなに楽しいものなのに。」と、数時間前の自分に言ってやりたいくらい。そのくらい、私は料理が好きになった。
 お正月、自分で作ったおぞうには、とてもおいしかった。お母さんからは、
「形がいびつね。味もこかったりうすかったりしてる。」
と言われてしまった。けれど、自分のためにもなったし、とてもいい経験だったと思う。
 それから、私は少しずつ料理するようになった。味見しながら味を調節したり、火加減の調整もしたりした。少しずつだけど、うでも上達してきた。これが私の「大晦日の改心」である。

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