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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2019年度 第55回 受賞作品

全共連福岡県本部運営委員会会長賞

祖母のほほえみ

うきは市立  千年小学校5年松﨑 真吾

「これ、いい。」
「それもまだ青いから、こっちのを取りなさい。」
 あぁ、まただ。ぼくは自分で決めたかったのに。ぼくの祖母は、仕事でいそがしい父や母に代わって、身の回りの世話をしてくれている。しかし、最近は、素直に祖母の言うことを聞けない自分がいる。剣道へ行く時も、早くから準備を始める祖母につい文句を言ってしまう。祖母は、まるで小さな子供に接するみたいに、ぼくの言い分を流してしまう。
 そんな祖母とぼくとで、今年の秋に初めて柿の収穫をした時のことだ。柿の木は、十五本くらいあり、毎年多くの実をつける。大きくて味がよいと知人からも評判がよいそうで、祖母は毎年、柿作りに精を出している。一ヶ月に二回、年間十四、五回の消毒をし、一月に選定、五月に摘果といって、小さい柿を落とす作業をしている。そうやって大きく実った柿だけを収穫しているそうだ。柿畑に着くと、祖母は、かごを下げ、はしごを登り始めた。
「よいしょ、よいしょ。」
少しつらそうではあったが、一歩一歩確実な足取りで登っていた。ぼくも上の方を取りたかったけれど、祖母から止められて仕方なく下の方についている実を取ることにした。
 いざ収穫しようとしたが、どれを取ればいいのかさっぱり分からなかった。これかな、とねらいを定めて手をのばすと、横から、
「それは、まだ。」
祖母がぴしゃりと言った。収穫するには、両手におさまる大きさで、オレンジ色がきれいな柿だ。ぼくは、真剣に柿一つ一つを見つめた。これは取ってはいけないのか、これは取ってもいいのか…心の中で考えた。自信がなくて祖母にたずねた。自分で決めたい。でも判断がつかないのだ。何度かくり返すうちにこれだと思う柿を見つけた。ぼくは、じっと見つめ、形も良し、色も良し、とチェックをしていた。その様子に気づいた祖母が、
「それは取ってもいいよ。」
とにこっと笑った。ぼくは、何だかほめられたような気がしてうれしかった。ぼくが三個収穫したのに対し、祖母はかごいっぱいになっていた。改めて、祖母はすごいなと思った。
 柿の収穫をしてみて、体力を使う仕事だと思った。祖母は、決して楽ではない、むしろきつい仕事をどうして続けているのだろう。お金をもらえるわけでもないのに。祖母に聞いてみた。すると、
「みんなに食べてもらいたいからたい。喜んでもらえると、やりがいがあるとよ。また来年も作ろうっていう気持ちになる。」
 そう話す祖母は満足そうにほほえんでいた。ぼくも、祖母のように人の笑顔のために働ける人になりたい。そして、祖母のことをもっともっと大切にしたい。

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