2019年度 第55回 受賞作品
福岡県知事賞
がんばったじきゅう走大会
柳川市立 豊原小学校2年すさき かんすけ
「ようい、スタート!」
ぼくのしんぞうが、ドキンとなった。きんちょうして、ころびそうになった。足にぐっと力を入れてこらえる。うんどう会のかけっこみたいに、みんないっせいに走り出した。すぐまえに、ともだちのせなかがある。あと少しなのに、いつもまけてしまう。今日は、ぜったいにかつ。そう思って、うでを大きくふった。
今日のぼくは、いつもとちがう。気あいが入っていた。だって、今日はお母さんが見に来ている。ぼくが、一いになるのを楽しみにしているはずだ。ぼくは、お母さんの方を一ども見ずに走った。しゅう中するために、まえだけを見て走った。でも、こんなにがんばって走っているのに、まえの人においつかない。くやしいのに、かちたいのに、いきがだんだんきつくなる。
けっかは三い。ぼくは、はじめてお母さんのかおを見た。お母さんは、にこにこわらいながら手をふってくれた。一いになれなかったのに、お母さんはわらっていた。お母さんは、
「いっしょうけんめいがんばればいいとたい。」
と言った。
来年は、ぜったい一いになってやる。