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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2018年度 第54回 受賞作品

RKB毎日放送賞

おじいちゃんの作る木うそ

福岡市立  曰佐小学校4年山下 さよ

「わぁ。おじいちゃん。すごい。」
おじいちゃんが大きな長いノミで木うその羽上げをしています。かたい木がまるでやわらかい紙みたいにクルンと丸まっています。しばらくするとおじいちゃんの手からりっぱな木うそができあがっていました。
 おじいちゃんが住んでいる太宰府では、うそかえ神事が一月七日に、太宰府天満宮であります。参加した人が木ぼりのうそを一つずつ持ちそれを交かんし、一年の幸福をいのる神事です。その時に使う木うそを、おじいちゃんがつくって天満宮におさめています。次の日おじいちゃんは、木うその作り方を教えてくれました。
「まず、山から、こし油という木をとってくる。その皮をはいで、かんそうさせるんだ。そして、木の太さによって、木うその大きさを決め、ノミを使って円柱にけずる。そして、目の部分や、おなかの部分の切りこみを入れる。その後が羽上げだよ。一番気をつけてノミを動かす所だよ。目や、もようの絵つけをして、頭の上に金紙をはったら完成だ。」
 わたしは、おじいちゃんが絵つけをしているのを見て、自分もうまくできる気がしました。細い筆で、赤や、緑色を羽にちょんとつけるだけなのに、先がそろわなかったり、前についたりして、うまくできません。黒色で、一番大切な目をかきます。わたしがかくと、線がふにゃふにゃで、泣いているみたいになります。でも、おじいちゃんがかくと、あっという間にかっこいいイケメンの木うそになるのです。
 いつもはにこにこしているおじいちゃんですが、木うそを作るときのおじいちゃんは、とても真けんです。
 おじいちゃんの手は、いつもかたい木をけずるので指先がごつごつしています。そんなおじいちゃんの手は、まほうの手です。わたしは、このまほうの手を覚えておきたいと思います。
「かえましょ、かえましょ。」
のかけ声で来年おじいちゃんが作った木うそが、交かんされます。来年もおじいちゃんの木うそが、みんなを幸せにしてくれるとうれしいです。

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