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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2017年度 第53回 受賞作品

RKB毎日放送賞

私の大好きな「おじ」

大野城市立  大野小学校4年谷口 鈴奈

 二〇一六年九月二十七日火曜日、その日は、強い風と、まるでバケツの水をひっくり返したような大雨と、ピカッと光って、ゴロゴロッとけたたましいごう音を鳴らす雷でひどい天気だった。

 その日、絵画教室から父の車で帰ってくる途中、雷や雨のせいだけではない、何か大切なことがどこかにひっかかったような気がして、不安になった。

 次の日もひどい雨だった。そして、その日からクリーニング屋さんのシャッターは閉まり、「還浄」と書かれた白い大きな紙がはってあった。

 母にどんな意味かときいたら、浄土におかえりになったという意味だよ、と、教えてくれた。そして、母は悲しそうな顔をして、

「きっと、きのうの雨や雷は、おじちゃんの悲しみの雨だっ たのかもしれないね。」

と、つぶやいた。そのとき、私はおじが亡くなったことを初めて知り、信じられず、ただぼうぜんとするばかりだった。今でも、その日のことを思い出すと、涙が自然とあふれてくる。

 一年生のころから、家族同然にかわいがってくれたおじ。どうして「おじ」と呼ぶようになったのかは忘れてしまったけど、毎日のように、エプロンとぼう子すがたで店先に出て、登下校中の小学生とジャンケンをかわすおじ。クリーニング屋の中のくつ屋として、一生けん命はたらいていたおじ。一ヶ月前に自転車で市内をはしりまわっていたおじ。それなのに亡くなってしまったということが信じられず、おそう式にも顔を出せず、閉まっているシャッターから目をそむけていた。

 その一週間後、私と母と姉はおじにお線香をあげるために、おじの家へ向かった。おばちゃんに入院中の話を聞いたり、私がおじにあてて書いたお手紙の話などを聞いたりしたあと、お線香をあげたときに思わず泣いてしまった。おじが亡くなってから初めて見せた涙だった。母も姉も泣いていた。おばちゃんが涙ぐみながら、

「よかったねえ。一番会いたい人がやっと来てくれたね。よ かったねえ。」

と、おじの遺影を見ながら言ってくれた。

 そのとき、私は気付いた。おじは私の心の中でずっと生きつづけているということを。大好きだよ、おじ。

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