2018年度 第54回 受賞作品
全共連福岡県本部運営委員会会長賞
名前のないみかんの木
私立 明治学園小学校2年戸田 しょう太
ぼくは、冬休みに長さきのおじいちゃんの家に行きました。
おじいちゃんは、家のうらにわに自分で野さいを作ることがすきで、ぼくが行くといっしょにしゅうかくをさせてくれます。
いつも見ていたうらにわに、ぼくが知らないみかんの木があったのです。おじいちゃんが、
「ほら、このみかん食べてみんね。あまかよ。」
とぼくにすすめてくれました。だいだい色のみかんだけど、ぼくが食べたことがない、何だかふしぎなみかんだと思いました。なぜなら、かわもかたいし、みかんのすじが、みにしっかりくっついていたからです。心の中で「食べられるかな。」とふあんになったけど、見つめているおじいちゃんのために一口ぱくりと食べてみました。あじはおいしかったので、ほっとしました。
もぐもぐ食べていると、
「このみかん、おじいちゃんが作ったとよ。三こしかできんで名前も分からんみかんやけど。」
とおじいちゃんが言いました。
つぎの日、ひっそりと一本の木を見つめてみました。みかんの木っぽくないひょろりとしたみきのみかんの木。何だか名前がないのが、かわいそうに思いました。
ぼくは、そのみかんの木に、
「まいっちょ」と名前をつけました。させぼの方言で、おいしくてもう一つといういみです。
帰る日に、「まいっちょ、今年は家ぞくみんなで一つずつ食べられるよう八こはなってね。」とおいのりしました。きっと、名前もついてあんしんしたと思うので、たくさんみがなると思います。