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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2018年度 第54回 受賞作品

福岡県教育委員会賞

信号のおじいちゃんへ

福岡市立  田島小学校4年金井 歩大

「おはよう、いってらっしゃい。」
毎朝登校するとき、信号でみんなを見守ってあいさつをしてくれる地いきボランティアの方がいる。見た目は、そ父と同じくらいで、名前をまだ知らないので、失礼だけど信号のおじいちゃんと心の中でよんでいる。
 その信号は学校から近く、いろいろな町内の子ども達が通り、中学生や自転車も多いので母達が当番で見守ってくれていたけれど、毎日ではない。母は仕事をしているので、ぼくより先に家を出るときもあり、おじいちゃんが毎日見守ってくれて安心できると喜んでいた。そして、ぼくにきいてきた。
「ちゃんとあいさつできているの。」
「ちゃんとしているよ。」
と、そく答したけれど、母が心配しているのは、ぼくがはずかしがり屋なので相手に伝わるあいさつができているのか、ということだ。たしかにその通り、いつもあいさつを返すだけしかできていない。
 とても寒い朝、ぼくが上着を着ていないと、おじいちゃんは、
「上着着ないで寒くないの。」
と心配して声をかけてくれた。まさに母が仕事に行く前に、
「上着着て学校行きなさいよ。」
と言い残して出かけたのを、守らなかった日なので、家族みたいに心配してくれているんだなと感じた。そういえば、大阪のそ母もボランティアで見守りをしていると言っていた。おじいちゃんにも孫がいるのかな。二人とも自分の孫に対する気持ちと変わらない気持ちで見守ってくれているのだろう。感しゃの気持ちが深まった。
 母が言う通り、ぼくのあいさつの仕方では、感しゃの気持ちは伝わっていないのかもしれない。そこで、手紙を書いて伝えることにした。
 終業式の朝、ドキドキしながら、
「いつもありがとうございます。三学期もよろしくお願いします。名前を教えてください。」
と書いた手紙をわたした。はずかしくて、わたすのでせいいっぱいだった。
 始業式の朝もおじいちゃんは声をかけてくれるだろう。今度こそ元気いっぱいのあいさつをして、おじいちゃんを名前でよべるようになりたい。

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