2017年度 第53回 受賞作品
西日本新聞社賞
助け合って生きる
私立 明治学園小学校4年森山 和花子
「今日ね、おじいちゃんと見回り隊に行ってきたんよ。」
と、弟が自まんするように私に言ってきました。「見回り隊って何だろう。」と私は思いました。
弟の話によると、見回り隊とは、夜に地いきの安全と防犯のために見回っている人たちのことのようでした。
私は「一回だけでも行ってみたいな。」
と、思いました。なぜなら、どんなことをするのか体験してみたかったからです。それに、見回り隊は、夜のお散歩みたいで、ちょっぴりどきどきするからです。でも、見回り隊の日は、私はいつも習い事があるので参加したことが一度もありませんでした。弟は、何回も参加しています。「いいなあ。」といつもいつも思っていました。
ところが、私にも参加できるチャンスがおとずれたのです。「やったあ。」と、嬉しくてわくわくしました。
その日は、火の用心について呼びかけをする日でした。私は弟と拍子木のたん当をしました。みんなで、
「火の用心。」
と、言った後に、拍子木を「カチカチ」と鳴らしました。私は弟とピッタリ音が重なるように気をつけました。まわりはしいんとしずまりかえって、少しぶきみな感じがしました。
地いきを二十分ほど歩いて呼びかけました。とても寒かったけれど、私たちの呼びかけで、「火事がなくなり地いきの安全安心につながっていけばいいな。」と思いました。
この体験を通して、私は、こうやって地いきの人が助け合って声をかけ合いながら、生活しているんだなと思いました。夏のぼんおどりでも、地いきの人たちが協力して、やぐらを組んだり、テントを建てたりしていたことを思い出しました。
安全を守って安心してくらせる町にすることや、地いきの人たちがかかわっていくことは、大切なことだと実感しました。