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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2017年度 第53回 受賞作品

全共連福岡県本部運営委員会会長賞

勇気を出して

福岡市立  西都小学校4年野満 俐乃

「どうしよう。」

冬休みに、私がおばあちゃんの家に行くとき、車の中から車イスの方を見かけました。その方は、とても急な坂を上れずに止まってしまっていたのです。

 私は、二学期のそう合的な学習の時間で点字や、車イスの動かし方などを体験したり、しょうがいがある方の気持ちについて考えたりして学習していました。私は車の中で、

「助けないと。」

と、思いました。でも、信号がいつ青になるか分からないし、

「助けてくる。」

とも言い出せずに、見ているばかりでした。勇気が出せなかったのです。

 見ている間に何度も坂を上ろうとしていました。しかし、坂が急で上れません。走っている女の人が通りかかりましたが、その人は、見向きもせずに、通りすぎてしまいました。わたしは、行こうかなと思いながらも、信号が青になるのを待ってしまいました。ついに信号は赤から青に変わりました。

「だれかが助けてくれるだろう。」

人まかせな気持ちが心のどこかにありました。そうして私は、けっきょく見て見ぬふりをしてしまいました。

 私は、二学期のそう合的な学習の時間のまとめのときに、

「自分ができることをしていきたい。」

と思っていたはずでした。それなのに、いざその場に出会うと何もすることができませんでした。私は、その後もずっとこうかいしています。私が声をかけていれば何か変わっていたかもしれないと思うからです。冬休みが終わって先生にそのことを話すと、

「気づけたことがあなたの成長だと思うよ。」

と、声をかけてくださいました。でも、私は気づくだけではなくて、行動にうつせるようになりたいと思っています。勇気を出して行動することは、むずかしいと思うけれど、少しずつできることをふやしていきたいです。

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