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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2016年度 第52回 受賞作品

RKB毎日放送賞

本の良さ

古賀市  花見小学校6年佐々木 理来

 今、大人も子供も本を読まない人が増えていき、日本人の国語力の低下が心配されています。そして、本を読まない人は口をそろえて「本がおもしろくない。」と言うそうです。それは、本の良さを知らないからです。本の良さを知っている人は、多くの本を読んでいます。

 本の良さは、大きく分けて二つあります。まず、一つ目は、活字にふれることで、様々な字や言葉を知り、覚えることができるという良さがあります。ぼくが小学二年生のときに読んだ小説は、難しい字やことわざなどが多く書かれていて、ページをめくるたびに辞書が必要になるほどでした。しかし、そのおかげで様々な言葉を知ることができ、以前より「とんち」がきくようになりました。それと共に、本を読むことで、様々な言葉を覚えることができるということを学びました。このように、本は、読む人に様々な知識を与えてくれます。

 次に、二つ目は、著者が何十年もかけて創り上げた本の中心となる部分をほんの二、三日で自分のものにすることができるという良さがあります。本の著者は、ゼロから様々な本を創っていきます。ゼロから創り上げられた本ほど読み応えのある本はありません。さらに、その本の中心部分、つまり自分が手に入れる価値のあるものを手に入れることができたら、それだけで十分です。いわば、他人の脳の中心部分を自分の脳の一かけらにすることができるのです。ぼくが、活発に本を読み始めた二年生から六年生まで得られた他人の脳の中心部分は数え切れません。そのおかげで物事を様々な位置から見ることができるようになりました。さらに、そこに活字にふれて学んだ言葉の表現力が加わったことにより、様々な位置から物事を見て考えるだけではなく、それを人に伝えることができるようになりました。

 世の中の本が全ておもしろいとは限りません。自分に合ったおもしろい本が百パーセントのうち、一パーセントでも残りの九十九パーセントの本を全て読んでいくしかないのです。もし、一パーセントに一回目でたどりついてしまったら、それは推理小説で犯人を一行目に書いてあるのと同じことです。犯人にたどりつくまでに様々なことがあったからこそ、犯人にたどりついたとき、そのときの感動は大きくなるのです。それと同じように、読書でも九十九パーセントの本を全て読み、残りの一パーセントにたどりついたとき、九十九パーセントが無駄ではなかったことに気づくのです。そうやって努力し続けていくことが真の本の良さなんだと、ぼくは多くの人に気づいてもらいたいです。

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