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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2016年度 第52回 受賞作品

RKB毎日放送賞

ぼくはしんさ員

福岡市  福岡教育大学附属福岡小学校3年山さき こうすけ

「少し近づいたけれど、何かちがうな。」

お母さんが、ひじきの煮物を作るとき、ぼくは、味見係として台所にかならずよばれます。ぼくが一口味見をすると、お母さんは、ぼくからのはん定を待ちます。とてもしんけんなまなざしです。ぼくもなぜか、このときばかりはから口のしんさ員になります。

 どうしてぼくが、ひじきのしんさ員になったのかには理由があります。小さいころのぼくは、お兄ちゃんとくらべると体が弱く、食べ物のアレルギーもあるので、病院に通うことが多かったそうです。そのことをとても心配したおばあちゃんが、えいようがたくさんつまっているひじきを、ぼくによく食べさせてくれたと聞いてます。だから、ぼくは小さいころからたべている、おばあちゃんのひじきの煮物が大好物なのです。

「ひじきは鉄分がたくさん入っていて、体にとてもいいよ。」

と、おばあちゃんはよく言います。だから、お母さんにも同じ味のものを作ってもらいたいと思い、おねがいをしました。そのときから、ぼくはひじきのしんさ員になったというわけです。お母さんは、少しずつおばあちゃんの味に近づいてきています。けれど、百点まん点ではありません。

「あまさが足りないのかな。」

と、ぼくのために、いつも一生けん命作ってくれています。

 ぼくは、小学校に入学してから、ほとんど病院には行かなくなりました。今はかぜを引いてもすぐになおります。これもおばあちゃんのひじきのおかげだと思っています。ぼくにとっては、「ミラクルひじき」です。

 本当のことを言うと、ぼくはお母さんの作るひじきの煮物も大好きです。でも、おばあちゃんの味にはやっぱりかないません。あともう少しで、おばあちゃんの味に近づくので、お母さんにがんばってほしいです。そのときまでぼくは、ちょっぴりきびしいしんさ員でいたいと思います。もうすぐ、お母さんに合かくしょう書をわたせそうです。その日をぼくはとても楽しみにしています。

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