たこたこあがれ

福岡市　福岡教育大学附属福岡小学校2年大ほ　さき

「お正月、ひまだなあ。」

おじいちゃんの家で、ごろごろしていると、

「よし、たこあげするぞ。」

と、おとうさんが大きな赤いとりの形のたこをもって来ました。

「やったー。」

わたしとおとうとはとびはねて、いそいでおとうさんと、近くの海の前の広場に行きました。

　広場につくと、おとうさんがたこをもって、わたしとおとうとでたこ糸のぼうをもって、はしりました。

「たこたこあがれ。」

ふわっとたこがういてよろこんでいたら、ガシャンとでんちゅうにぶつかってしまいました。

「おとうさんにまかせなさい。」

と、おとうさんがあげると、たこはぐんぐん青空高くあがって、本もののとりがとんでいるようにパタパタしていました。すごいなと思って見ていると、近くにいたマガモのむれも、本もののとりと思ったのか、ビューンと風のようにあわててにげていきました。

　つぎにまた、わたしがあげてみました。今どはさっきより風がつよくて、たこが高くあがってひっぱられて、わたしまでとんでいきそうでどきどきしました。

「よーし、おじいちゃんがお手本を見せてあげよう。」

と、家にいたおじいちゃんもやって来ました。

「むかしはよくたこあげをして、たこあげ名人だったんだ　よ。」

とじまんしながらおじいちゃんはたこをあげていたけど、おとうさんのほうが高くあがっていました。わたしとおとうさんは、目を合わせて、くすっとわらいました。

　たのしいお正月のたこあげでした。