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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

RKB毎日放送賞

私の小さな世界

私立  明治学園小学校5年渡部 理歩

 濃紺の空にかがやく無数の星、青く澄んだ海を泳ぐ魚たち。これは、私の自信作の数々だ。その作品の世界は、直径わずか二、三センチメートルの枠の中に詰め込まれた小さな宇宙だ。
 私は、二年ほど前に両親からレジンの工作キットをプレゼントしてもらった。レジンとは、数センチメートルの枠の中に色をつけた液を流し込み、金や銀、様々な色や形のスパンコールをちりばめ、硬化させるという一種の工作だ。二年前にレジンに出会って以来、私はそのみ力にすっかりとりこになったのだ。
 レジンのみ力は、何といっても小さな枠の中に、自分の空想の世界をギュッと閉じ込めることができる点だ。あるときは、濃い青に濃淡のグラデーションをつけ、そこに金色の細かなラメをパラパラとちらしていき、静かな夜空にかがやく星たちを表現したり、またあるときは、エメラルドグリーン色の液体の中に魚やイルカの形をしたスパンコールをちりばめ、ハワイの海を表現したりした。さらに、丸い枠に青い海、緑の大陸、白い空を配置しまるで宇宙から地球をながめているかのような作品を作ったこともある。それはまるで、空、海、地球が自分の手のひらの上に広がっており、小さいけれど、大きな世界に入っていくことができる感じなのだ。
 レジンで工作している間は、現実の世界をはなれ、自分の空想の世界に一しゅんにして入り込むことができる。集中して作業をしていると、テストや勉強のことなど、いやなことを全て忘れて楽しい時間を過ごすことができる。
 私が、今後チャレンジしてみたいと思っている作品は、立体の3D作品である。球体を金魚ばちに例え、その中に赤や黒色の金魚を泳がせてみたり、青や紺色の球体の中に色とりどりのスパンコールを同心円状に配置して、夜空をいろどる花火を表現したりしたい。
 レジンに出会ってから、生活の中にしゅ味の時間をもつことの大切さを実感した。小学五年生とはいっても、少しくらいのなやみやストレスはだれにでもあると思う。これからの人生、今よりもっといそがしくなるだろうし、なやみもたくさん出てくるだろう。この先、また新たなしゅ味に出会うかもしれない。それが楽しみでもあるし、今の「レジン工作」というしゅ味をずっと大切にしていきたい。
 もし、何か楽しいしゅ味を探している友達がいたら、私はまず、レジン工作をおすすめしたい。
 みなさん、ぜひ私といっしょに小さな宇宙を作ってみませんか。きっと、新たな世界に出会えるはずです。

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