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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

RKB毎日放送賞

よみがえったおじいちゃん

福岡市立  草ヶ江小学校4年花田 時生

 ぼくには宝物がある。それは弟だ。 弟は二年前に生まれてきた。弟はとても小さく、かわいくて、家族や親せきの中でもとびぬけて小さく、どこに行っても人気だ。そんな弟はぼくにたくさんの幸せをくれる。例えばぼくが熱を出した時、近くによってきて、「だじょぶ。」と言いながら頭をなでてくれたことがあった。そうするときつさが少し良くなって体温が下がった気がした。ある時には、問題集で引っかかっている時、「がぁばれ。」と言われ、問題を見返すと、スラスラとあっという間に解き終わったこともあった。
 そんな自分の宝物である弟に深い関わりがあると思う人がいる。それはおじいちゃんだ。おじいちゃんは弟が生まれる二年前に亡くなってしまった。お母さんは亡くなってから毎日、「お父さん、さみしいよ。」と泣いていた。その後、しばらくしてお母さんがにんしんしていることが分かった。そしてついに弟が生まれた。生まれたばかりの弟はとても小さくて、おじいちゃんにそっくりだった。弟をおじいちゃんの妹のおばさんに見せると、「ああ、せつお兄さんが生き返った。」と泣きながらよろこんでいた。きっとこうの鳥がおじいちゃんを天国でかいぞうして、弟に生まれ変えて運んできたのだろう。おじいちゃんは、きっと、まだ、みんなと生きたくて、その気持ちが、弟の命としてよみがえったんだとぼくは思う。そして今年は初めてのおじいちゃんの命日だ。亡くなって四年たつのに、なぜ初めてなのかというと、おじいちゃんは、四年に一度しかないうるう年の二月二十九日に亡くなったからだ。そんな特別な日に亡くなったおじいちゃんのことをぼくは一生わすれない。おじいちゃんが亡くなり、本当に悲しかったけれど、今は弟がいてくれてぼくは本当に幸せだ。一つの命が終わっても、こうして新しい命が生まれつながっていくこと、こうして人は悲しみを乗りこえていくことをおじいちゃんと弟から教えてもらった。
「おじいちゃん、ぼくはこれから弟のことをしっかりと守っていくから、おじいちゃんもそばで見守っていてね。」

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