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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2022年度 第58回 受賞作品

全共連福岡県本部運営委員会会長賞

おかあさんの手当て

私立  西南学院小学校3年平田 和毅

「お母さん、お腹が痛いよ。痛くてねむれん。」
ぼくは小さな声でお母さんをよんだ。お母さんはやさしい顔をして、ぼくの所にくると、
「お母さんが手当てしようね。」
と言ってくれた。
 お母さんが、おなかに手を当ててくれると、じーんと、ちょっとずつぽかぽか温かくなってきた。そして体全体がなんだか温かくなって、ぼくは知らないうちにねむっていた。どうしてねてしまったのか考えてみた。
 ぼくのお母さんはいつもすぐぼくをおこる。
「かずき、はやくしゅくだいして。はやくピアノの練習して。まだしてないの。はやくおふろにはいって。」
と大きな声をだして言う。ぼくは時々お母さんの頭の上にうっすらおにのつのが見えるほど、こわい。こわすぎて、走ってにげだしたくなる。
 でも、ぼくが、病気をしている時のお母さんは、
「きついよね。お母さんがかわってやりたか。」
と言ってくれる。いつものお母さんとはまったく別人になったかのようにやさしい。頭の上を見るとつのがなくなっている。
 そう。ぼくは、分かった。お母さんが、おなかに手を当ててくれてるけど、お母さんの心のやさしさがぼくのおなかにも伝わって、そしてぼくの心にも伝わって、あったかいやさしい、ピンクのようなわたがしがぼくのまわりにたくさん出来ていたような気がした。お母さんのやさしいわたがしがぼくを治してくれたんだなと思った。
 いつもは、頭につのがあるお母さんだけど、ぼくのことを大事に考えてくれているんだなと思った。ぼくはそう考えると、なんだかまた心がむずむずぽかぽかしてきた。
 でもぼくの毎日は、またおにのお母さんからにげださないといけない。

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