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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2017年度 第53回 受賞作品

福岡県知事賞

おじいちゃんと野菜と私

久留米市立  屏水中学校1年大籠 彩未

 「わぁ、大きなきゅうり!」

 「じゃがいも、こんなにたくさん!」

 「大根の葉っぱ、すごい!」

 おじいちゃんから届く、ダンボールいっぱいの野菜は大きくて、おいしいから大好きです。

 おじいちゃんが持ってくる野菜は季節によって変わります。夏はトマト、キュウリ、ナス、冬は白菜、大根、里いもです。私は、夏の大きなキュウリと、冬のシャキシャキの白菜が特に好きです。おじいちゃんの野菜をお母さんがおいしく料理してくれます。キュウリ、トマトは丸かじり、白菜はつけものやお鍋、大根、里いもはおでん、玉ねぎ、じゃがいもは肉じゃがになります。私は、もりもり食べて元気になります。

 私は一度、おじいちゃんの畑に行ってじゃがいもを掘ったことがあります。その日はとても暑くて、おじいちゃんはこんなに暑い中いつも野菜を作っているんだな、と思いました。また、草もたくさん生えていて草取りも大変だな、と思いました。暑い中、みんなで掘ると土の中からじゃがいもがたくさん出てきて、うれしかったです。でも、大きなミミズなどの虫も出てきて、いやだな、と思っていると、おばあちゃんが

「おじいちゃんの野菜は無農薬やけんね。」

と教えてくれました。それで私は、虫も食べるほどおいしい野菜なのか、と思いました。家でも、おじいちゃんが持ってきたダンボールから虫が出てくることがあります。それでも、お母さんは、

「おじいちゃんが大事に育ててくれた、おいしい野菜だから。」

と言って、虫が出てくるたびさけびながらも、料理してくれます。私は、野菜を作ってくれるおじいちゃん、料理してくれるお母さんに感謝しながら食べようと思いました。

 おじいちゃんは仕事が終わったあとには水やりをしたり、休みの日は畑に出かけて野菜の様子を見に行ったりしています。また、台風の時や、自分が出かけた日には、

「野菜は大丈夫やろうか。」

と心配していました。このような、野菜を大切に思う気持ちが、大きくておいしい野菜ができる一番の理由だと思いました。そんなおじいちゃんでも畑の野菜作りを始めたばかりの頃は、あまり大きくならず、おいしくできなかったそうです。でも、今のような野菜ができるようになったのは、地域の人との関わりやおじいちゃんのがんばりだと思います。おじいちゃんはよく、知り合いの人に野菜やお米をもらってきています。仲の良い人と畑のことについて話しているようです。自然に囲まれて、地域の人との関わりがあって、いなかにしかない良さだと思いました。

 おじいちゃんはとても元気で、冗談を言って笑わせてくれます。そして、家に遊びに行ったら、帰るとき、

「そこに野菜ばおいとるけん、持って帰らんね。この前の白菜はちっ と小さかったろうが。どうやったね。」

と笑顔で野菜を渡してくれて、前回の野菜の心配もしてくれるおじいちゃんから、また野菜を大切に思う気持ちを感じました。おじいちゃんは八女の広川町に子どものときから住んでいて、方言が強いのでたまに何を言っているのか分からないことがあります。でも、おじいちゃんと野菜のことで会話が増えて、少しずつ分かるようになってきました。中学生になって、通知表を見せると、

「こげん頭のよかと、おれの孫ぜ。」

と喜んでくれました。でも私は、保健体育が苦手で気にしていると、

「そげんなんでんできんでよか。こげん勉強のできるなら、体育のそんくらいでよか。」

となぐさめてくれました。私は中学生になり、何でもがんばって疲れていたとき、そう言われてほっとし、気持ちが軽くなりました。おじいちゃんがおじいちゃんらしくがんばっているように、私も私らしくがんばって、おじいちゃんを喜ばせたいと思いました。私は食べることが大好きです。おじいちゃんは私がいっぱい食べているのを見て喜んでくれます。おじいちゃんが大事に育ててくれた野菜を感謝しながら、おいしく食べることがおじいちゃんの力になればいいです。私は、おじいちゃんとおじいちゃんの野菜が大好きです。これからも、体に気をつけて元気でいてほしいです。私はおじいちゃんに、

「こげんよかと、おれの孫ぜ。」

と言ってもらえるように、自分らしくこれからもがんばります。

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