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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2017年度 第53回 受賞作品

福岡県知事賞

「大切な家族」

福岡市立  七隈小学校4年今村 ゆう希

 おばあちゃんが入院する前、それはリビングでおやつを食べていたときでした。おばあちゃんが、

「今度の手術はがんばれないかもしれないよ。」

と、ぽつりと言いました。私がびっくりしておばあちゃんの方を見ると、すわっているすがたがいつもより小さく見えました。

 おばあちゃんは、韓国ドラマやテレビを見ながら大きな声で笑う陽気な人です。私が小さいときからいつも一緒にいて、土曜日に二人で留守番をするときは私の大好きなオムライスを作ってくれたり、私がさみしくないようにお母さんの小さいころの話や面白い話をたくさんしてくれたりします。そんなおばあちゃんの自慢が「健康」ということでした。

「私は子育てが終わるまで、病気一つしないでがんばったん だよ。」

と、私に言います。でも、だんだん年をとって腰や耳の手術をしてきて、今回は四度目の耳の手術です。私でも四度も手術するのはいやですが、おばあちゃんは入院するたび体が弱くなっているので不安になっているのかなと思いました。

 いよいよ、おばあちゃんの手術の日です。私は学校にいるときも心の中で「大丈夫。」と何度もくり返しました。手術は成功で、病室へ行くとおばあちゃんは頭にはめてあるネットを顔まで下げて

「メロンみたいやろ。」

と、笑わせてくれました。いつもの明るさがもどっていて、安心しました。

 おばあちゃんが入院していた間、私は初めて一人で留守番をしました。昨日までにぎやかだった家が急に静かで時計の秒針や宿題をする鉛筆の音しかしません。一人だけ取り残された気持ちでとてもさみしかったです。

 そして退院の日、学校から帰ると

「おかえり。」

と、おばあちゃんが笑ってむかえてくれました。記念に一緒に写真をとったら、写真の中の私はおばあちゃんの背を追いこしていました。私はまだまだおばあちゃんがいないとだめだけど、おばあちゃんにたよりにしてもらえるようにならないといけないなと思いました。

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