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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2020年度 第56回 受賞作品

日本農業新聞賞

私たちのじまんの木

久留米市立  下田小学校3年松﨑 萌々花

 私たちの下田小学校には、メタセコイアというとても大きな木があります。メタセコイアは、みんなで遊ぶときの集合場所でした。いつも、私たちを見守ってくれています。私は、このメタセコイアが大好きです。
 春は、うすいみどりの葉っぱが風にゆられて、きれいな音が出ます。
「サラサラ。シャラシャラ。」
と、聞こえました。メタセコイアのそばでこの音を聞くと、いやなことなんかすっかりわすれてしまうくらいでした。
 夏は、メタセコイアの木かげで休みました。木のみきをさわると、ヒヤッとつめたくて、
「ここさわって。つめたくて気持ちがいいよ。」
と、友だちに教えていました。さわりながら上を見上げると、こいみどりの葉っぱが生いしげっていて、さわやかな青いにおいがしました。青いにおいをむねいっぱいにすいこむと、力がみなぎるようでした。
 秋は、茶色で小さくてきれいな木の実を、メタセコイアはくれました。たくさんの木の実が落ちているので、友だちとひろって遊びました。その木の実の形は、まつぼっくりに少しにていました。図工の時間、木の実を使っていろいろな作品を作りました。落ちた木の実がいろいろな作品に変身したことを知ったら、メタセコイアは感動するだろうなと思いました。
 冬は、メタセコイアがクリスマスツリーになりました。木のてっぺんまでライトアップされます。いつもしずかで、落ちついているメタセコイアが、この時はドレスを着てはしゃいでいるようでした。私もそんなすがたを見て心がおどるようでした。
 閉校が決まって、よくメタセコイアのそばに行くようになりました。みきに手をおくと、「いつもありがとう。これからも、見守っているよ。」と聞こえたような気がしました。そして、私の頭に葉っぱを落としてくれました。なみだのような、エールのような。これからも、メタセコイアはわたしたちの宝物です。

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