ホーム > 小・中学生作文コンクール > 過去の受賞作品

「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2018年度 第54回 受賞作品

日本農業新聞賞

ちりもつもれば山となる

福岡市立  室見小学校5年新堀 美咲

 「いつの間に!!」
漢字ノートの合計点数を見た時私はとてもおどろいた。
 二学期から、漢字ノートの点数がつけられるようになった。一点から五点まである。最初はぬきうちだったけれど、私は五点を取ることができた。私は最初に五点を取ったからにはずっと取り続けたいと思った。それから毎日時間をかけてノートを書いた。とめ・はね・はらい。マス目からはみ出さずに書くことによく注意し、ドキドキしながらノートが返ってくるのを待っていた。開くと、いつもノートには五点の文字。でもそのうち、てきとうに書いても五点はもらえるだろうと思い、雑な文字になってきた。今日も五点だろうなと思いながらノートを開くと、四点だった。私は雷にうたれたかのように全身にしげきが走った。ショックだった。それと同時に、一生けん命ノートを書いていた自分を思い出した。九月の自分に対して、とても、とても申し訳なく思った。
「くやしい。」
やっと出た言葉だった。本当にくやしくてくやしくてたまらなかった。次の日、初心に返りていねいにノートを書いた。ゆっくり、返されたノートを開いた。五点だった。うれしい。今日も連続で四点だったらと心配していたのだ。そのうれしさをバネに次の日もまた次の日もがんばった。それからは毎日五点を取ることができた。時間が無い日も四点のあのくやしさはもういやだという一心でノートを書いた。また宿題だけでなく、五十問テストの練習も追加でするようになった。練習すればするほど、どんどん漢字が頭の中に入っていく。 そのおかげか漢字スキルの小テストでも五十問テストでも百点を取ることができた。小テストと五十問テストが返ってきて、百点だと知った時は、とび上がりたいほどうれしかった。今までの努力が報われたように感じた。
 毎日たったの五点。それでも私の思いがこもった五点。九月から、十二月までで、私の合計点数は、三百八十点ほどになっていた。三・四年生の時は宿題の漢字を毎日するだけで精一杯だった。だからさらにお手本を見て、きれいに書き写しながら漢字を覚えていくのは、なれない事でもあったため大変だった。でも、それをのりこえることで、私は毎日の小さなことの積み重ねの大切さを知り、大人の自分に一歩近づいたと思う。五点のちり。それでも積もれば、三百八十もの達成感の山になる。
 私は、三学期も努力というちりを集めて大きな山にしたい。

ページ上へ