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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2018年度 第54回 受賞作品

日本農業新聞賞

大空をはばたくたこ

築上町立  椎田小学校3年尾﨑 亮介

 ビューン。ビュウー。
 サッカーのグラウンドに、大きな大きなかげができています。風を受けて、ぼくのたこがまい上がりました。
 お正月のことです。いとこがたこをかしてくれました。白いたこと、ピンク色のたこです。
「たこあげしよう。」
 ぼくはうれしくてたまりませんでした。たこあげなんて、一年生の時に生活科の学習でしたけど、それいらい一回もしていないからです。
「早く行こう。」
「行こう。」
 ぼくといとこの正成君は、声をかけ合って、外にとび出します。そのままグラウンドへと足を速めました。
 ビュウー。
 ぼくはおどろいて、思わずみとれました。正成君のたこは、ぐんぐん空に上がっていきます。糸はどんどん長くなり、あっという間にまきつけていた部分がなくなりました。正成君は、ぼくとちがって上手です。白い鳥のように、気持ちよさそうな様子でとんでいます。
 ぼくのたこも、負けてはいられません。とばして、落下して、またとばして、また落下して、何度もくり返すと、だんだん糸が長くなっていきました。
 その時です。ビューン。
 強い風が、ぼくのたこを引っぱりました。ピンクのたこが、ぐんぐん高く、まい上がりました。
 そばで見ていたお母さんが、
「上手。」
と、うれしそうに言いました。たこは三十メートルの糸をさい大までのばして豆のように小さくなりました。ちょうどマンション十階の高さです。
 たかのように大空を自由にはばたくたこを見ていると、ぼくも空をとんでいる気持ちになりました。えものをねらうように急こう下したら「くい。」と糸を引っぱります。また上がりました。
 正成君とぼくのように仲のよいたこ。来年のお正月もとばしたいです。 

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