ホーム > 小・中学生作文コンクール > 過去の受賞作品

「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2022年度 第58回 受賞作品

福岡県知事賞

私のじゅう電器

福岡市立  七隈小学校4年川浪 葉那

「はな。またねている時にくっついてきたから、こしがいたいよ。」
毎朝お母さんからこう言われる。私はなんのことか、さっぱり分からない。お母さんの話では、夜中に必ずお母さんのふとんに入ってきて、お母さんにくっついているらしい。私は、きおくも意しきもなく、お母さんをゆっくりねかせたくないわけでもないのに。でも私は覚えていない。
「そんなことない。私は夜中、お母さんのふとんに入っていない。」
と言い返すが、朝起きるとなぜかお母さんのふとんにいる。
 日中は、イライラしている時や悲しい時にお母さんのむねにつっこむことがある。お母さんのむねに顔を当てると、なぜか落ちつくからだ。この役は、お母さんじゃないとだめなんだ。私は、
「あったかくて、やさしさにあふれているお母さんが大好き。」
と思って、お母さんの方を向いた。そして、私はお母さんに向かって一直線で走っていき、むねにだきついた。だって、私のじゅう電器だからだ。お母さんの体にくっつくと、元気になれる。元気パワーが、すぐにたまるんだ。お母さんは、魔法をもっているみたいだ。その魔法は、私にしか分からない。特別な魔法なのだ。
 お母さんはいつもおそくまで、仕事をしていて、日中じゅう電することが出来ない。だから覚えていないけれど、きっと夜中にお母さんにくっついて、学校で使いきった空っぽのじゅう電をしているのだと思う。
「私はいつまでくっついて、ねるのかな。」
それは私にも分からない。けれど、きっと今日も私は夜中にじゅう電に行くのだろう。
「お母さん、こしがいたいかもしれないけど、私のじゅう電よろしくね。」

ページ上へ