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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2022年度 第58回 受賞作品

福岡県知事賞

発見!漢字とのつきあいかた

私立  明治学園小学校3年能美 にな

「三年生は、一番たくさんの漢字を習う学年らしいよ。」
 今年度のはじめに、どこかできいてきたらしい母がとく意げに言った。わたしは気が重くなった。漢字は苦手だ。おぼえるのも大へんだし、画数もどんどんふえてくる。「全部ひらがなで通じるならそれでいいのに。」とも思う。調べてみると、三年生は一年間で二百文字もおぼえなければならないようだ。多すぎる。考えただけでうんざりだ。
 そんな気持ちで始まった三年生。よりによってたんにんの先生は漢字がすきらしい。たしかに先生はとても漢字にくわしかった。まさに漢字はかせ。一文字ずつ、漢字のなり立ちや意味を教えてくれる。たとえば『流』という字。右上の形は『子』をさかさにした形で、その下の三本線はよう水と一しょに赤ちゃんが出てくることを表している。言われてみるとそう見えてきた。『流』という字が動き出したような気がする。画数が多い漢字は、リズムで教えてくれる。『着』という字は『点、点、丁、ニノ目。』この通り書いていくと、正しい書きじゅんで『着』の字ができあがる。まるでまほうのじゅ文だ。
 習ったことを家で話すと、母は手を止めて、じっとわたしの話を聞く。そして知らないことだらけだとおどろく。大人でも知らないことを教えてもらっているのだと、なんだかすごくほこらしい。今まで気にしていなかった、新聞や町中の知らない言葉も、漢字を知ることで、少しずつだが意味の予想がつくようになった。まだ習っていない漢字を見つけて自分で漢字じ書を開くき会もふえた。わたしの中で、漢字は『おぼえる』ものから『学び』『知る』ものにかわっていった。
 来年は四年生。習う漢字は二百二文字らしい。なんと今年よりも多いではないか。自しんまんまんに三年生が一番多いと言いきった母の顔を思い出すと苦わらい。けれど、たくさんの漢字を学べると思うと、今からわくわく心がおどる。先生のような漢字はかせになれるよう、これからもどんどん新しい漢字と知り合い、なかよくつきあっていきたい。

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