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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2023年度 第59回 受賞作品

日本農業新聞賞

いつかこくふくしたいこと

国立大学法人  福岡教育大学附属福岡小学校2年古す 大晴

「お母さん……。」
何とか、声をしぼり出す。いつもぎりぎりまでがまんする。でも、げんかいはすぐそこ。
「ビニールぶくろ当てて、外見とって。」
母はそう言いながら、心ぱいそうにせ中をさする。
 ぼくは、のりものよいをする。ふしぎなことに、てつ道はどれももんだいない。でも、車と長きょりバスが大のにが手。
 そんなぼくが、ひ行きにのることになった。ぼくにとって、はじめてののりもの。
「ひ行きどうする?いやなら、るす番でもかまわんよ。」
夏休み前、家ぞくのみんなは何どもぼくをからかった。
「はいはい、大じょうぶです!」
そのたびに強がってみせる。でも、内心ふあんでしょうがない。
 そして、ついにとうじょうのとき。いざのりこむと、ひ行きなんてシートベルトをしめれば、車とかわらない。あぁ、いやなよかん。でも、ひ行きには楽しいものがいっぱい。イヤホンに自分だけのモニター、ジュースにキャンディー。ぼくは画めんそう作にぜんしゅう中。そのうち、ドスンと音を立てて、目てき地にちゃくりくした。二時間なんてあっという間。
「ほぅら、よわんかった。」
ぼくは自まん気に言いふらす。と同時に、ひ行きは大じょうぶなのりもののなか間入り。
 ぼくのせ中をさするとき、母はいつも耳元でこうささやく。
「体が大きくなるにつれて、のりものよいはなおるけん。気にしたらいかんよ。」
と。だから、まい日いっぱいごはんを食べよう。いつか、こくふくできるとしんじて。

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