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「JA共済」小・中学生
作文コンクール

2022年度 第58回 受賞作品

全共連福岡県本部運営委員会会長賞

初めて見た棚田

福岡市立  若宮小学校5年古賀 伍弥

 今年のお正月に祖母の家からハウステンボスに向かう車の中で、ぼくは思わず声を出した。
「お父さん、ちょっと待って。行きたい場所があるから。」
それは、波佐見町の焼き物のかん板の中に、とつ然ぼくの目に鬼木の棚田という文字が現れたからだ。父もおどろいたように近くのちゅう車場に車を止めてくれた。
 ぼくが棚田を知ったのは、去年の農林水産まつりに参加した時に、棚田についてのしょうかいやクイズがあったからだ。その後、自主学習で棚田について、もっとくわしく調べた。棚田には、ダムのような役割があり、こう水を防いだり、水をろ過しながらきれいな水を作ることができるのだ。棚田のいねは、地中おく深く根がのびるので、ミネラルをたくさん吸収してとてもおいしいお米を作ることもできる。また、近くを流れる川や水路には、たくさんの植物や昆虫が生息することができる。しかし、しゃ面であったり、一つの面積がせまいので機械が使えずに米作りが大変になることも学んだ。
 かん板から八百メートルくらい山に向かって進むと、鬼木の棚田は見えてきた。一つ一つがちがう形をしていて、石がきもきれいに積まれていた。それが何重も続いていて、ぼくの想像していたよりも広大できれいな景色だった。しばらくの間、てん望台から見下ろしていたが、ぼくは急に下に下ってみたくなって一人で道をかけ下りた。下から見上げる鬼木の棚田は、まるで山に住むおにの階段のようにも感じた。昔の人たちが機械も使わずに何十年もかけて自分たちの手で作り上げたと思うと、すごいの一言だ。
「もう帰るから登っておいでー。」
てん望台から母が大声で呼んでいたけど、ぼくはもう少しこの景色をながめていたくて、ゆっくりと道をもどって上った。
「田植えやいねかりの時期はまた景色がちがうんだろうな。」
と父が言った。
「夕日に照らされている棚田も見たいね。」
母も言った。ぼくは、家族を棚田に連れて行くことができてうれしくなった。
 ぼくは今回、初めて棚田を見て、ますます棚田に興味を持った。ぼくの住む福岡県には二十ヶ所以上の棚田があるので、色々な棚田の景色を見てみたいと思っている。棚田で作られたおいしいお米も食べてみたい。そして色々な人に棚田のことを知ってもらい、長い間守りつがれてきた棚田が減ったり消えることがないような活動をしていきたいと思っている。

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